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- 指しゃぶり大丈夫!?その2
2020年12月25日
こんにちは。
院長の森田です。
前回は指しゃぶりの歯並び・噛み合わせへの影響についてお話ししました。
今日は指しゃぶりによって二次的にお口の中に及ぼす影響についてです。
指しゃぶりをしていると前回お話したような形態的な変化のみではなく、二次的な影響が出てきます。
前回の振り返りです。
開咬:噛んだ状態でも上下の歯の間に隙間がある噛み合わせ
反対咬合:受け口の噛み合わせ
上顎前突:出っ歯の噛み合わせ
これらが二次的にお口の中にどのような二次的な変化をもたらすのか、図にしてみました
例えば開咬になると、上下の前歯の間に隙間ができるので、唾液や食べ物、飲み物が隙間から漏れ出ることを防ぐために舌で隙間を塞ごうとします。
一日に平均600回は嚥下すると言われており、そのたびに上下の歯の間に舌を押し出しながら嚥下する(異常嚥下癖)とどうなるでしょうか。
さらにその隙間が広がってしまいますよね。
また、上下の隙間があくことでお口も閉じにくくなり、嚥下時だけでなく、ぼーっとリラックスしているときも無意識に上下の前歯の隙間に舌を置く癖(舌突出癖)がついてしまいます。
【口唇閉鎖不全・口呼吸】
開咬、反対咬合、上顎前突になると上下の歯の間に距離ができるためお口を閉じにくくなります。
食事のときもお口を閉じにくいとクチャクチャと音を立てながら食べることになり、口からぽろぽろとこぼれるようになります。
また、口が常に開いていると鼻呼吸ができずに口呼吸になります。
口呼吸の悪影響については以前もブログでお話ししました。
鼻呼吸は鼻毛がフィルターの役目を果たし、ウイルスや細菌が体に入りにくいようになります。
一方口呼吸はウイルスや細菌が直接のどに到達し体内にウイルスや細菌が入りやすいだけでなく、口臭の原因にもなってしまいますよね。
全身にも悪影響になろことがわかると思います。
【咬唇癖・吸唇癖】
上顎前突、反対咬合で上下の歯に水平的な距離ができると前歯に唇が接するため、咬んだり吸ったりしやすくなります。
それが習癖になってしまいます。
【舌突出癖・異常嚥下癖】
先ほどの例で説明したように、開口になると、上下の歯の間に舌を持っていき舌を前に押し出す行為(舌突出癖)が生じます。
また、食事の際も舌で隙間を塞ごうとして嚥下(異常嚥下癖)をするようになってしまいます。
【構音障害】
サ行、タ行、ナ行、ラ行は舌を上顎につけて発音をします。
開咬や舌突出癖があると舌を上下の歯と歯の間から出して発音しやすくなり、舌足らずな発音になってしまいます。
【低位舌】
あまり聞くことがないと思いますが、低位舌になっているお子さんは大変多いです!
本来、何もしていないとき、舌は上顎についているのが正常です。
開咬になると舌が上下の歯の間に置かれることが多くなります。
また、指しゃぶりが長期化すると指によって舌が下に抑えられる時間が長くなり、舌が低い位置にあるようになってしまいます。
舌が低い位置にあると何が悪いの?
そう思った方もいるのではないでしょうか。
舌が低い位置にいくと次のようになります
・上顎と舌に常に空洞ができる
・舌が気道を圧迫して呼吸がしづらくなる
→気道を確保するために “お口ぽかん” になる
・舌の筋肉が全体的に下がる
→滑舌が悪くなる、食事の際にくちゃくちゃと音がしたり、むせやすい
・横から見て顎の下がたるんで二重顎のようになる
悪い影響がたくさんですよね!!!
【審美的影響】
一番わかりやすいのが見た目です。
開咬、反対咬合、上顎前突になると自分の口元がコンプレックスになる子どもがいます。
指をしゃぶっているときに緊張しているお口の周りの筋肉は、吸っていないと緊張が緩み、ぽかんとお口が開いたままになります。
常に緩んだ状態で上唇は短く、山型の状態になります。
指しゃぶりをする
⇓
開咬になる
⇓
舌突出癖・異常嚥下癖になる
⇓
開咬がどんどん悪化していく
⇓
低位舌になる
と悪循環になり、知らないうちに “お口ぽかん” 状態になってしまうのです。
最近、“お口ぽかん”のお子さんをよく見ます。
ぼーっとしているときに口が開いていないですか?
テレビを見ているときに口が開いていないですか?
その時にお子さんに口を閉じるように言ってもすぐに開いてしまいますよね。。。
そんなお子さんにも効果的に対応する方法があります。
気になる方はご相談ください。
院長
森田 香櫻里